ここはちはるの最新五作を紹介するページです
2005.09.19 掲載

- four seasons -
蒼い夜に月の雫
掌に受けて空を仰ぐ
はらりと揺らぐ黒髪も
月の雫に濡れて光る
波紋の如し時の揺らぎは
静かにしずかに夜を詠う
十五夜観月薄の野辺に
然もありなんと蟲の議するを
息をひそめしただ聴き入りて
蒼白の面(おもて)に想いひそめし
2005.09.19 掲載

- four seasons -
恋は哀しいもの
こんなものの成就を
なぜ人は望むのでしょう
なぜ人は喜ぶのでしょう
幸せすぎる恋は続かないもの・・・
人は幸せに慣れてしまうもの
人は嘘に慣れてしまうもの
虚ろな夢はいつか朽ちる
永遠を司るのはいつも哀しみ
積み木の城は脆いものだと
幸せに似て脆いものだと知らぬままに
笑顔で組み立てていく憐れさよ・・・
人は皆
影は切り離せぬものだということを
心のどこかで知っているはずなのに・・・
2005.08.27 掲載

-MEINOHAMA DRIVE-
良くない事だと解っているわ
けれどあなたを許せない
自らの心を傷つけながらも
あなたを
あなたを憎んでしまう
今まで愛してきた事も
今まで信じてきた事も
その深さと
積み重ねた日々の崩壊・・・
もうどこにも行くあてはないわ
哀しいことだと解っていても
あなたを憎むことでしか今を生きていけない
ただ傷口を掻き毟るように
痛みと苦しみにしか命を探せない
憎しみだけが思い出の別名
2005.03.21掲載

- ・・・!? -
風が通り過ぎた気がしたわ
あなたに抱きすくめられたからかしら!?
何もかも消え失せて
時さえ止まったような気がした
戸惑いの間もない口づけは
思考が後追いして動けなかった・・・
躯(からだ)のすべてが脈打つかのような鼓動
呪縛に絡め取られたような心が、
あなたの力強い腕に気づいて熱く燃えたわ
黄昏に溶けてしまいそうなくらい紅く、深く・・・
刹那の出来事が刻み込まれた唇と心
驚きと共に揺れ動く戸惑い
もう一度抱き寄せられて、
共有する時間が思い出を刻み始めた
2005.01.21掲載

-MEINOHAMA DRIVE-
本当の優しさは
時として厳しいものであると
せめて愛する人には知っていてほしかった
わたしを恨んだあなたは
遠い過去の事でさえわたしを責める
愛するが故の
あなたを思うが故の言葉さえ
あなたの中で悪意に育つ
もう終わった愛
過ぎた過去
わたしの真実をあなたは認めない
わたしの思いをあなたは知らない
愛の深さ故
もうわたしは誰も愛せない
2004.12.29掲載

-MEINOHAMA DRIVE-
探り合い、騙し合い、
己の保身と欲望を満たすために、
誰かを傷付け切り捨てて横を向く・・・。
彼等がしがみ付く階(きざはし)は、
天空を覆う灰色の雲を越えることができるのかしら?
魍魎たちを住まわせた彼等の心は、
人の為(な)りをしてほくそ笑む。
心を汚さないことの苦痛と空虚な日々は、
わたしの中にまたひとつ陰を生み落としてしまった。
醜悪で不実なものに対する憎悪は冷たい炎となって、
この心の闇に火を灯す・・・。
揺らめく憎悪の灯火は、
幾重もの影を落とし、漆黒の闇の扉を開いてしまう。
信じるに値するものが、
果たしてこの世に存在するのかしら・・・?
抗い、決して目を逸らさなかったわたしの、
虚無の闇を掻き毟る爪はもうボロボロだ・・・。
2004.09.24掲載

-photograph by neo-
歩くような速さでいたいね
あなたもあたしも・・・
自分の歩幅でゆっくりと
急ぐことなく
行過ぎる風や時とすれ違いながら
見渡してごらん
きっとどこかにぬくもりがあって
きっとどこかに優しさがあって
ゆっくりと
歩くような早さで
きっとあなたの傍にいるから
そしてあなたもきっと気付く
あなたと同じ速さで
そこに在る時と愛に・・・
2004.09.24掲載
-photograph by neo-
永遠など在りはしない
何もかもが
いつかは消え去るのが宿命(さだめ)
例え其処に愛が微笑んでいても
例え其処に夢が佇んでいても
存在は
いつかは無に還る
そう
永遠など何処にも在りはしない
宿命(さだめ)は
始まりと終わりの墓標
刹那の果ての物語・・・